1. はじめに:社会を騒がせた「ゼリーおばさん」事件の概要
この記事でわかること
- ✅ 「ゼリーおばさん」こと吉田四季氏の正体と、販売していた製品の全容。
- ✅ DETOXERETゼリーから検出されたシブトラミンの極めて高い危険性。
- ✅ 医薬品医療機器法(薬機法)違反として書類送検された経緯。
- ✅ YouTuberコレコレ氏の配信でこの事件がどのように炎上したか。
「ゼリーおばさん」とは、ベトナム製のダイエットゼリーを販売し、健康被害と薬機法違反の疑いで書類送検された人物の通称です。
この事件はインターネット上で大きな話題となり、社会問題に発展しました。
特に、製品に含まれていた違法な医薬品成分と、販売者の倫理に反する行動が問題視されました。
本記事では、「ゼリーおばさん」こと吉田四季氏の正体に迫ります。
また、販売された製品の危険性や、YouTuberコレコレ氏の配信をきっかけに炎上した詳細な経緯を完全に解説します。
2. 「ゼリーおばさん」こと吉田四季氏とは何者か
「ゼリーおばさん」は、ベトナム製のダイエットゼリーを販売していた人物につけられた通称です。
報道などで氏名が公表されたのは、吉田四季氏とされています。
2.1. 主な活動内容と販売製品
吉田氏は主にSNSやインターネット上のコミュニティを通じて活動していました。
ターゲットは「手軽に痩せたい」と考える層の消費者でした。
販売されていた問題の製品
- ✅ 製品名:DETOXERETゼリー(Detoxeret Jelly)
- ✅ 製造国:ベトナム
- ✅ 宣伝文句:「食べれば痩せる」「飲むだけで劇的に痩せる」など、強力なダイエット効果を謳っていました。
- ✅ 形態:チューブ状のゼリー(セロリと海藻の風味、ブラックカカオ蜂蜜風味など)や、固形チョコレート製品もありました。
これらの製品は、正規の販売ルートではなく、個人輸入代行や転売といった形で流通していました。
「天然由来成分」や「安全」などと、虚偽の情報を交えて販売されていたとされています。
2.2. 「ゼリーおばさん」と呼ばれるようになった経緯
「ゼリーおばさん」という通称は、主にインターネット掲示板やSNS、そして後述のYouTuberコレコレ氏の配信で広まりました。
彼女がダイエットゼリーを販売していたこと、そして「おばさん」という言葉がネット特有の揶揄的な表現として用いられ、定着していきました。
事件が公になっていく過程で、この通称が吉田氏本人を指す言葉として広く認知されました。
3. 事件の核心: DETOXERETゼリーの危険性
この事件を重大なものにしたのは、販売されたゼリーに、日本の法律で未承認の危険な医薬品成分が含有されていたことです。
3.1. 検出された違法成分「シブトラミン」とは
「DETOXERETゼリー」の検査で検出されたのは、シブトラミン(Sibutramine)という成分です。
これは、過去に海外で肥満治療薬として使用されていた医薬品成分です。
シブトラミンの作用と規制
- ✅ 作用: 脳の中枢に働きかけ、食欲を抑制する効果があります。
- ✅ 副作用: 血圧上昇、心拍数増加(動悸、頻脈)、頭痛、めまいなど、心血管系に重篤な影響を及ぼします。
- ✅ 規制: 日本では医薬品として承認されていません。欧米などでも死亡例を含む重篤な副作用の報告を受け、販売が中止・禁止されています。
このゼリーには、当時の医薬品の1日最大投与量に匹敵するか、あるいは超える量のシブトラミンが含有されていました。
3.2. 報告された具体的な健康被害
ゼリーの摂取者からは、全国の自治体を通じて複数の健康被害(疑い)が報告されました。
DETOXERETゼリーによる主な健康被害事例
- ✅ 循環器系: 動悸、息苦しさ、血圧の上昇、ほてり。
- ✅ 精神神経系: 頭痛、めまい、不眠、食欲不振、倦怠感。
- ✅ その他: 口渇(喉の異常な渇き)、重度の場合は幻覚妄想や、服用中止後のうつ・性機能障害の残存。
これらの症状は、シブトラミンの中枢神経系および心血管系への影響によるものです。
特に、持病を持つ人や体質によっては、命に関わる重篤な事態を招く危険性がありました。
4. 法的措置: 医薬品医療機器法(薬機法)違反
吉田四季氏らは、この危険な製品を販売していたことにより、日本の法律に基づき捜査の対象となりました。
4.1. 薬機法違反の理由
吉田氏らが問われた容疑は、医薬品医療機器法(薬機法)違反です。
薬機法違反の具体的なポイント
- ✅ 無許可医薬品の販売: DETOXERETゼリーは、未承認の医薬品成分であるシブトラミンを含有しており、法律上無許可の医薬品とみなされました。
- ✅ 販売目的の貯蔵: 医薬品成分を含む製品を営利目的で保管・販売していた行為自体が、薬機法に違反します。
- ✅ 罰則: 薬機法違反の中でも重い罰則が規定されており、「3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはこれを併科する」可能性があります。
吉田氏らは、2023年(令和5年)頃までに、この疑いで警察当局により書類送検されています。
4.2. 組織的な流通と被害の拡大
捜査により、販売は個人的な転売に留まらず、組織的な流通ルートが関与していたことが明らかになりました。
ベトナムからの製品の輸入、日本国内での保管、そしてSNSなどを使った販売網の構築です。
この流通網によって、被害は全国に拡大しました。
全国の自治体から相次いで注意喚起が出されたことが、その深刻さを物語っています。
5. YouTuberコレコレ氏による炎上の経緯
「ゼリーおばさん」事件が社会的な注目を集め、爆発的に炎上した大きなきっかけは、人気YouTuberコレコレ氏のライブ配信でした。
5.1. コレコレ氏の配信と告発
コレコレ氏は、主にネット上のゴシップやトラブルを取り上げる配信で知られています。
彼の配信には、DETOXERETゼリーを購入し、実際に健康被害を受けた視聴者が相談を持ちかけました。
相談者の中には、動悸や体調不良を訴えるだけでなく、「ゼリーを食べれば痩せる」という言葉を信じ、高額な費用を費やした人もいました。
5.2. 炎上の拡大と社会問題化
コレコレ氏は、視聴者から寄せられた情報に基づき、販売者(吉田氏)の特定を試み、その販売手口や製品の危険性を視聴者全体に公開しました。
コレコレ配信による炎上の要因
- ✅ 被害者の具体的な声: 実際に体調を崩した被害者の生々しい証言が、視聴者に強い衝撃を与えました。
- ✅ 「命の危険」の認識: シブトラミンという致死性の危険がある成分が含まれていることが明確になり、事態の深刻さが一気に増しました。
- ✅ 販売者の対応: 配信で販売者とされる人物の不誠実な対応が露呈したことも、視聴者の怒りを買いました。
この配信をきっかけに、「ゼリーおばさん」の通称と、DETOXERETゼリーの危険性が爆発的に拡散しました。
結果的に、警察や厚生労働省などの公的機関が動く決定的な要因の一つとなったと言えます。
6. 類似の違法ダイエット製品と市場の闇
「ゼリーおばさん」事件は、氷山の一角に過ぎません。
インターネット上には、同様に違法な成分を含むダイエット製品が多数流通しています。
6.1. 違法なダイエット製品に共通する特徴
海外製のダイエット用「健康食品」には、いくつかの共通する危険な特徴があります。
違法製品を見分ける注意点
- ✅ 「劇的な効果」を謳う: 短期間で大幅な減量を可能と宣伝している製品は、医薬品成分が混入している可能性が非常に高いです。
- ✅ 不自然な体調変化: 強い口渇、動悸、多汗など、服用後に医薬品特有の不快な症状を感じた場合。
- ✅ 入手経路の不透明さ: 公式サイトではなく、SNS、フリマサイト、個人輸入代行など、正規の販売ルート以外で販売されているもの。
- ✅ 成分表示の不備: 成分表示が外国語のみで、日本語での情報が極端に少ないもの。
シブトラミン以外にも、強力な下剤作用を持つフェノールフタレインや、甲状腺ホルモンなどが不正に混入している製品が過去にも報告されています。
6.2. 消費者に求められるリテラシー
「ゼリーおばさん」事件は、消費者が自らの健康を守るために高いリテラシーを持つことの重要性を強調しています。
特にインターネット上の情報は玉石混交であり、安易な情報や誇大な宣伝に惑わされない冷静な判断力が求められます。
7. まとめと今後の教訓
「ゼリーおばさん」こと吉田四季氏の事件は、未承認の医薬品成分を含む製品がSNSを通じて拡散し、多くの健康被害を引き起こした深刻な事例です。
YouTuberコレコレ氏の配信が、事件を世間に広く知らせるきっかけとなり、警察の捜査を後押ししました。
この記事の重要ポイント再確認
- ✅ 人物: 「ゼリーおばさん」こと吉田四季氏。
- ✅ 製品: ベトナム製ダイエットゼリーDETOXERETゼリー。
- ✅ 違法成分: 危険な食欲抑制剤シブトラミン(日本で未承認)。
- ✅ 法的措置: 薬機法違反で書類送検。
- ✅ 炎上要因: YouTuberコレコレ氏の配信により、被害の実態が明るみに出たこと。
現在も、インターネット上には「手軽に痩せる」と謳う危険な製品が溢れています。
ご自身の健康を守るためにも、安易に海外製品に手を出さず、体調不良を感じた場合は速やかに医療機関を受診することが重要です。


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