この記事でわかること
- 2025年流行語大賞ノミネート30語の全容
- 「女性首相」「トランプ関税」など社会派ワードの背景
- 「エッホエッホ」「ぬい活」など若者トレンド語の元ネタ
- 政治、経済、エンタメを通じて見る2025年の日本社会のリアル
- 年間大賞の行方を占う有力候補の深掘り解説
1. 流行語大賞2025 ノミネート30語の全貌
2025年11月5日、今年の世相を映し出す「2025 T&D保険グループ 新語・流行語大賞」のノミネート30語が発表されました。
スポーツ関連のワードが少ない一方で、政治経済の大きな動きや、SNS発のユニークな言葉が目立つ結果となりました。
ノミネート語は、日本社会が直面した課題と、日常に浸透したネット文化の広がりを如実に示しています。
2. 政治・社会・経済:混沌とした世相を映す言葉たち
2025年の流行語ノミネートには、政治・経済の不安定さや、生活に密着した社会問題を表す言葉が多数選出されています。
これらは、多くの国民が抱える不安や期待、そして変化への対応を迫られた現実を反映していると言えるでしょう。
2.1. 混迷の時代を象徴する政治・経済ワード
今年、最も注目を集めたワードの一つが「女性首相」です。
高市早苗氏の誕生は、日本の政治史における大きな転換点となりました。
その就任時の一言「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」は、覚悟を示す言葉として大きな話題となり、ノミネートに至りました。
しかし、この言葉の裏側には、ワークライフバランスを犠牲にしてでも解決すべき、山積する社会問題への焦燥感が見て取れます。
国際情勢に目を向けると、「トランプ関税」は、米国の政治動向が世界経済に与える影響の大きさを象徴しています。
米国の選挙結果が日本の産業や生活に直結する懸念は、一年を通じて大きなテーマであり続けました。
政治・経済関連の注目ワード
- 女性首相:日本初の女性総理誕生という歴史的出来事
- 働いて働いて働いて働いて働いてまいります:新総理の覚悟を示すフレーズ
- トランプ関税:米国政治が世界経済に与える影響への懸念
- 物価高:生活を直撃し続けた経済問題の継続
2.2. 生活を脅かす社会・環境問題
国民生活に身近な社会問題も、流行語としてノミネートされました。
特に「クマ被害」は、人里への出没が相次ぎ、人命に関わる深刻な問題となりました。
これに対応するための「緊急銃猟」の制度改正も話題となり、自然との共存の難しさを浮き彫りにしました。
食料自給率と価格の問題を象徴するのが「古古古米」(こここまい)です。
コメ価格の高騰により備蓄米が放出された際、その古い年数を示す表現として注目されました。
食料安全保障と物価高の二重苦を表す言葉と言えるでしょう。
また、「二季」は、地球温暖化の影響で、日本が四季から夏と冬の二季に変わりつつあるという気候変動への危機感を反映しています。
3. 若者・SNS・エンタメ:ネット発の言葉が主役の年に
2025年は、SNSや動画プラットフォームを通じて爆発的に広がる、若者発のユニークな言葉が流行語大賞の候補を席巻しました。
特に、その可愛らしさと中毒性から社会現象となった「エッホエッホ」のノミネートは、現代の流行語が生まれる場所が完全にネット空間へ移行したことを示しています。
3.1. ネットミーム「エッホエッホ」の衝撃
「エッホエッホ」は、メンフクロウのヒナが草むらを懸命に走る姿に付けられた擬音語です。
この動画がSNSで大拡散し、「急いでいる」「頑張っている」という意味合いで日常会話やネット上のミームとして定着しました。
その波及力は、企業や自治体の広報にまで利用されるほどでした。
これまでの流行語が、テレビやマスメディア主導であったのに対し、2025年は「エッホエッホ」に代表されるような、SNS発の純粋なバイラル(口コミ)による言葉が強い影響力を持つに至ったと言えます。
3.2. 推し活と褒め言葉の進化
若者の間で使われる「ビジュイイじゃん」は、「ビジュアルが良いね」という意味です。
アイドルやアーティストの容姿を褒める「推し活」から広がり、一般の友人への褒め言葉としても浸透しました。
また、アイドルソングの一節から広まった「チョコミントよりもあ・な・た」も、甘いセリフとしてSNSで拡散され、若者の間で定番のフレーズとなりました。
「ぬい活」(ぬいぐるみ活動)は、「推し」のぬいぐるみと一緒に旅行に行ったり、写真撮影を楽しんだりする活動を指します。
これは、単なる消費ではなく、「推し」との体験を共有することに価値を見出す現代のファン文化を象徴しています。
SNS・エンタメ関連の注目ワード
- エッホエッホ:メンフクロウのヒナ動画発のネットミーム
- ビジュイイじゃん:若者の間で使われる「見た目が良い」の意
- チョコミントよりもあ・な・た:アイドルソング発のキャッチーなフレーズ
- ぬい活:「推し活」から派生したぬいぐるみとの体験共有
- ラブブ:大人気キャラクターとのコラボ商品
- ミャクミャク:2025年大阪・関西万博の公式キャラクター
4. ライフスタイルの変化を映す言葉
個人の価値観や働き方の変化、健康意識の高まりも流行語に反映されています。
ノミネート語は、現代人がいかにしてストレスや疲労と向き合い、生活の質を向上させようとしているかを示しています。
4.1. 新しい働き方と自己管理
「おてつたび」は、「お手伝い」と「旅」を組み合わせた造語で、地方の短期アルバイトと旅行をマッチングさせる新しいライフスタイルです。
これは、人手不足に悩む地方と、観光を楽しみたい若者を繋ぐ、持続可能な地域交流の形として注目されました。
また、「リカバリーウェア」は、疲労回復を目的とした高機能アパレル製品です。
健康意識の高まりと、日常のパフォーマンスを重視する現代人のニーズに応え、市場を拡大しました。
自己管理(セルフケア)への意識が高まっていることを示しています。
4.2. 企業と個人のあり方
「企業風土」という言葉がノミネートされた背景には、企業のジェンダー問題やハラスメント、不祥事などが相次いだことがあります。
個々の問題ではなく、組織の根本的な文化、つまり「風土」を変革する必要性が広く認識された一年でした。
また、「フリーランス保護法」は、多様な働き方をする人々が増える中で、その権利と安全を守るための法整備の動きを象徴しています。
労働市場における公平性と多様な働き方への尊重が高まっていることを示しています。
多様なライフスタイル・価値観の言葉
- おてつたび:旅行と短期労働を組み合わせた新しい旅の形
- リカバリーウェア:疲労回復を目的とした高機能アパレル
- 企業風土:組織の根本的な文化や体質に対する社会の批判
- フリーランス保護法:多様な働き手に対する保護と権利
5. 2025年年間大賞の行方を占う有力候補
ノミネートされた30語の中から、年間大賞の最有力候補を分野別に分析します。
大賞は、単なる流行度だけでなく、その言葉が一年間の世相をどれだけ深く、広く象徴しているかが鍵となります。
5.1. 社会的インパクトの候補
政治・社会の分野からは「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」と「トランプ関税」が競合するでしょう。
前者は、国内の不安と覚悟という、日本人共通の感情を深く揺さぶりました。
後者は、日本の経済全体に影響を及ぼす国際的な出来事であり、その重要性は非常に高いです。
また、「女性首相」という言葉そのものの持つ歴史的な重みも無視できません。
5.2. ネット・トレンドの候補
ネット発の言葉からは、爆発的な拡散力を持つ「エッホエッホ」が有力候補です。
この言葉は、既存のメディアの力を借りずに流行語の地位を確立しました。
純粋な流行度と、SNS時代の新しい言葉の生まれ方を象徴する点で優位性があります。
また、「ぬい活」は、多くの人々が日常的に行う「推し活」の進化形であり、文化的な広がりも評価される可能性があります。
年間大賞の有力候補(編集部予想)
- 社会派:働いて働いて働いて働いて働いてまいります(時代を象徴するフレーズ)
- 国際派:トランプ関税(世界情勢のインパクト)
- ネット派:エッホエッホ(SNS流行語の決定版)
6. 2025年を振り返る:流行語が語る未来
今年の流行語ノミネートは、社会の不安定さと、ネット文化の成熟という二つの大きな潮流を示しました。
政治経済のワードは、「不確実性」と「課題山積」という現実を突きつけます。
一方で、SNS発のワードは、「自己表現」と「共感」を重視する若者のポジティブなエネルギーに溢れています。
流行語大賞は、単なる言葉のランキングではなく、その一年間に日本人が何に悩み、何に熱狂し、何を求めていたかの記録と言えるでしょう。
12月1日の年間大賞発表が、2025年という一年をどのような言葉で締めくくるのか、注目が集まります。
まとめ
2025年流行語大賞のノミネート30語は、日本の「不安」と「熱狂」の両極端を反映しました。
政治では「女性首相」「働いて働いて」が、経済では「トランプ関税」「物価高」が大きなテーマとなりました。
文化面では「エッホエッホ」「ビジュイイじゃん」「ぬい活」など、SNS発の言葉が圧倒的な勢いを見せました。
これらの言葉の裏側には、社会的な課題への対処と、個人の価値観の多様化という、現代日本の二つの側面が鮮明に浮かび上がっています。
年間大賞は、この一年を最も的確に表現する「世相の鏡」となるでしょう。


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